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エピソード7- 前編 [自動車教習ラプソディー]

こらえてくれー[がく~(落胆した顔)][もうやだ~(悲しい顔)][ふらふら]


入院中の指導員の生徒さんが回ってきたことがある。[あせあせ(飛び散る汗)]
仮免許に漸く合格しているのだが、驚くほどの時間がかかっている。
その指導員はその女性と話し合い運転免許を諦めた方がよいと何度もアドバイスをし、路上に出る力がつくまで相当の練習が必要であること、それまで『自分に指導を受けるのであれば仮免許試験は受けさせない。』と説明したという。
ところが入院中に交代した他の指導員があっさり通してしまった。
仮免許試験を合格するにはなお、十数回の受験が必要であった。
(ボクが同乗した検定ではクランクコースの脱輪補助で中止であった。)
公平を期するため、何度かに回避していたのだが、検定資格者は全てその女性を検定してしまい、見極めを行った指導員が検定資格者として同乗し、彼女は合格した。
「路上で仕上げればいい」という昔ながらのやり方である。
その1時間目は、その指導員が横に乗った。
そして、2度目のオートマティックでの路上教習が終わった後、翌日ボクに配車が回っているので、その方のことを聴きに行った。
くだんの指導員はぐったりと長いすで延びており、ボクがその女性の名前を口にする額に片手を充てたままもう一方の手をあげ、『もうたくさん…』というふうな仕草を返したのみでした。
その翌日ボクはその意味を、マニュアル車1時限目の路上教習で思い知ることになります。
その翌日、たしか午後であったと記憶しています。
その女性の適性検査結果に大いなる不安を抱きつつ、ボクは今日のコースの説明を行い、運行前点検を行わせた後、構内外周を一周し、坂道を降りて路上に出ようとした。
その、構内の一周が凄かった。
その女性は凄まじい緊張で、全身の筋肉がこわばっており、冗談にも反応せず、ハンドルにかけた両手の指が真っ白になるほど握り込んでいる。
横からどうこうできる力の込め方ではない。
瞬きせずに前を向いたまま、ギアレバーをへし折らんばかりにローレンジにぶち込むと、パン…とクラッチペダルから左足を離した。
舌を噛むような激しいノッキングを繰り返しながらも、粘りのあるディーゼルエンジンのおかげで何とかエンストせずに教習者は前に進む。[がく~(落胆した顔)][ちっ(怒った顔)]
(よっぽどエンストした方が楽。)
そこから彼女は上ずった声で『後ろよしッ!』と後ろも見ずに声を挙げ、床板を踏み抜かんばかりにアクセルを踏みつけた。
グオオオオオオッ…
という音を響かせながら、教習車は後方に、「月光仮面」の追撃をかわす「サタンの爪」の煙幕のような真っ黒い煙を広げながら、ローギアで20~30キロというスピードを出し、教習所の坂道をめがけて突進した。

「エンジンブレーキを使って!」
彼女
「はい。」
グオオオ---ッ
私、
「アクセルを離しなさい。離せば車は遅くなりますッ!あ、合図を左に、曲がるんです。このままだと前の田圃に突っこみますよ!」
彼女
「はいッ」
グオオオオーーーーッ
「ハンドルをこっちへ!取らないから、それはあなたのハンドルだからちょっとだけ貸して!」
ボクは懇願しながら必死でハンドルを取り、左に補助を行った。
その間ボクは断続的に補助ブレーキを踏むが、彼女はローギアのまま変速することが頭の中から飛んでしまっていて、床まで踏み込んだアクセルを緩めようとしない。
緊張して足が思うように動かないのだ。
教習者は漸くコースを建て直し、国道に向け時速20キロでローギアのまま煙幕を後方車両に吹き付けながら、ボクは後方車両に白い手袋を嵌めた両手を頭の上で合わせ、心で『済みません。ゴゴメンナサイ』と繰り返しつつ彼女の暴走を補助ブレーキで押さえ込んでコントロールしていた。
オートマティックで2時間路上教習した指導員の後悔と疲労感はいかばかりだったろう。
オートマティック車両は補助ブレーキもメインブレーキの油圧を併用するため、教習生がアクセルを離さなければ効かないのです。
恐かったでしょうね。
しかも、踏み込めばキックダウンしてギアが上がるんですから。
でも、そのときのボクはそれどころではありませんでした。
ギアをあげさせると今度は下げさせなければならない。
かといって、このままローギアで町を走り通すことはできない。
どうするべきか、ハンドルをがっしりと抱え込み、幽霊に初めてあった人のように目を見開いてフロントガラスをかたまったまま睨み続ける女性とハムレットを1人乗せて教習車は、恐怖の国道へと近づくのでした。

『こらえてくれー(勘弁してくれー)』pen1_41.gif

つづく。

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依光次郎

 初心者の気持ちが判る僕は高所恐怖症。狭い山道を下って視界が急にパアッーと拡けると身体が固まることがある。(^^;先ズ、スリップシテモ落チナイホウコウニナッタ時、ユックリぶれーきヲ踏ム(坂ノ程度、後続車ニテ止マルコトモアル)。怖いと思うと、このブレーキが結構急ブレーキになることがあるから危ない。止まった場合は、フッーとため息をついて再発進、ギアは必ず一段落としてゆっくり走る。(^^;二車線のアスファルトでは、こんなことはないけど。

 教習所に、構内だけでも、いくらぶつけても良いよってクルマがあると初心者は助かるのではないでしょうか?(固まりにくくなる)

 長らくペーバードライバーだった娘の運転で吾川村まで走りに行った。このクルマ、2nd80Kmまでいけるからズッーと走れるよと云った。様子見ながら、3rdにすると音が静かになるよと云ったのは、枝川でした。(^^;;;

 このシリーズ、nice!を押そうかどうしようか内容で迷いますが、Mineozaurusさんが、ハムレットになった!?
ウン、nice! m(_ _)m

by 依光次郎 (2008-09-21 18:44) 

Mineosaurus

枝川の先生はいいアドバイスですね。私は教習所を辞めた途端、神経性の下痢が止まりました。そして右足の極端な筋肉の張りも。ご本人は真剣なんですけれどね。
登場する女性は本当は男性であるかも知れません。また、男性は女性であるかも…(^_-)
by Mineosaurus (2008-09-21 23:04) 

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